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| 日本の介護現場で活躍する外国人女性ヘルパー 社会福祉法人シルヴァーウィング 「気持ちよかった?」と、お年寄りの女性に明るく声をかけ、入浴介助をするフィリピン人女性は、東京都内の特別養護老人ホーム、シルヴァーウィングのホームヘルパー、本山ロセルさん。高齢者に対して心のこもった介助をするフィリピン人女性ヘルパーは、日本の介護の現場で今、欠かせない存在になっている。 高齢化社会をむかえた日本は、介護の現場で人手が不足し、早急な対応を迫られている。一方フィリピンは、これまで他国に労働者を送り出している実績を持ち、介護福祉士は安定した収入が得られる職業として人気が高い。そんな両政府のニーズが合致して、日本政府は外国人介護福祉士の受け入れをフィリピンから始める協定に署名した。 東京の首都圏だけでも、現在200人以上の介護職に就く在日フィリピン人がいるといわれている。シルヴァーウィングには、日本人男性と結婚し、日本で家族を持つ本山ロセルさん、宮下アイリーンさん、シエロ・ネクピールさん、3名のフィリピン人女性が、ホームヘルパー2級の資格を持ち、働いている。 「疲れる仕事ですけど、楽しいよ!」と、日本に来て12年経つというロセルさん。もともとはダンサーとして来日した。夜のショーで踊っていた時は、夫とも生活のリズムが異なり、肉体的にも精神的にも疲れていた。そんな時、同じ職場のフィリピン人女性に、ホームヘルパーの話を持ちかけられ、資格取得を決意したという。 学校に通い4ヶ月勉強して資格を取得。日常会話には問題ないものの、「今も漢字を覚えるのが大変です」と言う。資格取得後、すぐにシルヴァーウィングに派遣され、ヘルパーの仕事を始めて1年が経つ。フィリピンでは大家族で暮らす家庭が多い。「施設に来るお年寄りは、みんな自分のおじいさん、おばあさんみたいですよ」とロセルさん。 ロセルさんは日本の童謡をお年寄りと一緒に口ずさんだりする。愛嬌があり、施設での人気は高い。デイサービスの利用者の中には事前に電話をかけてきて、ロセルさんがいないことを知ると不満を漏らす人もいるという。 アイリーンさんも、お年寄りは皆、「自分の家族みたい」と言う。シルヴァーウィングで働く彼女たちの主な仕事は入浴介助だ。ここには、比較的元気な高齢者が利用する一般浴、歩行が困難な利用者のためのチェア浴、自力で動けない利用者のための特浴と3種類の入浴介助がある。 ホームヘルパーは朝9時から午後4時までに、30〜40人の入浴介助を行う。食事、排泄などの介助に比べ、重労働だ。一日が終わり、床に就く時、シエロさんは手にシップを貼るのが欠かせない。慢性的腱鞘炎になっているのだ。それでも安定した職のため、もっと勉強してホームヘルパー1級の資格を取り、介護の現場で様々な経験を積んでいきたいと語る。 シルヴァーウィングは、長期滞在はもちろん、日中だけ通うデイサービス、ショートステイ(短期入所)や緊急受入のサービスも提供する。コンサートやゲームなどレクリエーションも豊富なことから、利用者は多い。 気分に波があるお年寄りもいる。10人に一人くらいは、入浴拒否から暴れる人やヒステリーを起こす人もいるが、そこはチームワークを大事に、優しく対応するという。「仕事は大変で収入は多くありませんが、生活の安定を考えれば今の方がいいです。夜の仕事には戻りたくないですね」と言うロセルさん。 「ホームヘルパーの仕事は規則正しい生活ができるし、家族とのコミュニケーションも取れるので、いい仕事」と3人とも口を揃える。シルヴァーウィング副センター長の関口ゆかりさんは、「私たち日本人スタッフともうまくコミュニケーションをとり、本当によくやってくれています」と彼女たちをほめる。 日本人の介護福祉士が不足し、需要と供給のバランスが悪化する中、今後、日本の介護の現場では、フィリピン人の雇用が急増していくに違いない。ロセルさんらは日本で介護職に就くパイオニアで、外国人による介護の質が問われるモデルケースとなろう。 社会福祉法人シルヴァーウィング |
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