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芸術と娯楽の谷間で舞い上がる凧愛好家の情熱

福岡正巳さん

五月の二日間、石川県で開かれる恒例の世界の凧の祭典(内灘)に全国各地、海外からたくさんの人が集まってくる。その注目度の高さは、凧への興味が以前と変わらぬ強さがあるという表れだ。

内灘に集まる愛好家が選択した凧には驚くばかりである。派手に装飾した江戸凧から、特色ある旗や東洋の占星を表した凧など、日本の各地域が独特な凧や、伝統的なデザインの凧を持っているようだ。しかし、日本の凧の会事務局の福岡正巳氏によると、若い愛好家が選ぶのはスポーツ凧だ。凧文化を保存し、次世代への継承を目的とするこの会には約2,000人の会員が所属している。

揚げて楽しめるスポーツ凧は簡単に買うことができ、値段も高くない。一方で伝統的な日本の凧を手に入れるのはとても難しいため、通常はベテランの人が作った凧を譲ってもらう。さもなければ、多くの愛好家のように自分で作る。しかしながら、凧揚げの魅力の一つは、揚げる凧を持ってさえいれば、自分自身で楽しめることだ。福岡氏は次のように指摘する。「600円でも10万円の凧でも楽しめます。楽しみ方は人それぞれ違いますので」。

美的見地からみると、日本の凧はスポーツをはるかに越えた大きなインパクトを持つ。それらを間近に見られるところは、日本橋にある凧の博物館以外にないだろう。日本の凧の会事務局は、その博物館内にある。この小さな博物館は3,000ほどの凧ではちきれそうだ。そのコレクションは、訪問者を引き付ける年代ものの赤、青、オレンジに彩られた長方形の大型のものから鳥や船をかたどった目新しいものまである。

博物館にあるような日本の凧の芸術性は、もっとも顕著な特徴といえるが、凧は芸術性だけでは評価されない。福岡氏は説明する。「基本的に、よい凧というのはよく揚がる凧なのです」。彼は付け加えて言う。「優れた芸術作品、斬新なデザイン、職人の技術、これらは凧の質を高めますが、凧というものは揚がらなければ、いくら最高の芸術作品でもそれは欠陥品です」。

日本での凧の歴史は古い。最初に現れたのは6世紀から8世紀の間で、中国や韓国からもたらされ、初めは宗教儀式で使われたと思われている。それ以来芸術品と娯楽品の両面で発展してきた。一方、16世紀の伝説的な泥棒、柿木金助のような男たちに独創的な使われ方をした。彼は自分を凧にくくりつけ、それにより空中に上がり、城の頂上を飾る金箔を盗もうとしたと伝えられている。凧愛好者にとって幸運なことは、金助よりも凧のほうが生き延びてきたことだろう。その犯罪により彼は家族と共に煮えたぎった油の中に放り込まれた。

次世代に凧を広めていくために重要な役割を果たしている日本の凧の会等では、子供凧作り教室、親子凧揚げ大会など子供を対象にしたイベントを開いているが、何世紀も続いてきた凧を盛んにさせ、世界の凧の祭典(内灘)がこれからも凧愛好家たちを引き付けていけるようにすべきである。

凧祭りに関する情報は下記のサイトへ。英語版あり。
www.tako.gr.jp

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