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| グローバルとローカルをつなぐ人材の育成に挑む−異色の学部が誕生 多摩大学グローバルスタディーズ学部 今、グローバル化が急速に進み、地球が一つのコミュニティになりつつあるといえるだろう。その中で個人はどのようにして生きていけばよいのだろうか。これからの若者は、それを視野に入れた学問が必要となってくる。10年後にはもっと多くの人が外国で働くことになるだろう。また、多くの外国人が日本で働くに違いない。 外国人とコミュニケーションをとるのが日常になったとき、あなたはうまく対処できるだろうか。この変貌に対応すべく、2007年4月、多摩大学(中谷巌学長)にグローバルスタディーズ学部が湘南に新設される。その内容は、従来の日本の大学教育と根本的に異なり、本誌のコンセプトに相通じるものが見られる。 その特徴は、自分のアイデンティティである日本文化の特質を極め、世界の人に独自のメッセージを英語で語れる人材を育成することにある。そのため、日本の歴史、文化、宗教など「日本」を徹底的に学ぶカリキュラムが組まれ、授業はすべて英語で行われる。それを可能にするため、教授陣の6割が外国人で、世界に通じる基準で選ばれた。 この理念を遂行する責任者として中谷学長にヘッドハンティングされたのが、宮永國子グローバルスタディーズ学部準備委員長だ。元国際基督教大学大学院教授で、「グローバル化とアイデンティティ」などの著書のある文化分類人類学者。グローバルとローカルをつなぐ人材の育成を目指すこの大学には最適な人材といえよう。 「一人ひとりの人格の形成が何よりも大切です」と、宮永教授は英語のスキル以前に人格形成の重要性を説く。グローバル化の時代には、学ぶだけでなく、自分で学んでいける力を身につけることが求められているからだ。人格形成はえてして建前だけになりがちだが、この学部は基本を重視する。 「英語はシステム化されていて、決められていることをやり遂げればできるようになります」と、宮永教授に自信がうかがわれる。1年目にクラスをレベル分けした英語の集中教育が準備されていて、150人の学生に対し8人のネイティブ講師体制で、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの技能を繰り返しトレーニングする。 英語のレベルが低いクラスではやさしいテキストが使用されるが、書かれている内容はレベルが高いクラスと同じものだ。英語のレベルが追いつけば、スムーズにクラス替えができる仕組みになっている。英語が追いつけない学生には、7名の日本人教師による個人別指導の補講も用意されている。特に日本人が不得意な聴く英語に重点が置かれる。 英語の学習過程で学んだことは、後の授業の内容として使われる。英語学習と授業とがリンクされているのだ。さらに、リスニングの学習でも使用される。このようにシステムはトータルに連動する。また、システムが画一化されればされるほど、個性は埋没しがちだが、それを補う個人指導も行う。 伝わる本気の教育 英語学習がお稽古ごとであったり、あるいは実利主義に偏ったりする日本にあって、この学部は確かに異色だ。また、教育機関によくありがちな現実のともなわない観念的な理想ではなく、実際に、これからの時代に必要となる人材を本気で育てようという気概が感じられる。 宮永教授は、入学して欲しい生徒として三つあげた。一つ目は、絶対にやり抜くという決意を持っている人、二つ目は、自分の目標、進路をはっきり持っている人。三つ目は第一言語を持っている人。つまり、日本語で物事をしっかりと考えられる人だ。「アイデンティティのよりどころのない人は、語学ができてもむずかしいですね」。 グローバル化は今後ますます進み、英語は世界の共通語として使用される。その中にあって、英語能力は必須だが、英語はスキルでかまわないという考えを超え、自分が語るもの、つまり、自分自身と自分が育った日本のことについて語れなければ意味がない。グローバルスタディーズ学部は、まさに、時代が要請する産物といえよう。 多摩大学www.tama.ac.jp/ |
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