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| 一枚の風呂敷が芸術品に ふろしき研究会 代表 森田知都子さん エコロジーへの関心の高まりから、日本のスーパーなどで、買物客に手渡す使い捨てのビニール袋の使用をやめる動きが、最近、急速に広まり、自分で袋を持参する人が増えてきた。そんな中で、今、風呂敷が注目されている。布切れ一枚の風呂敷は、形状にかかわらずどんなものでも包め、しかも何度でも使える。 その持ち運び道具としての機能もさることながら、今回は風呂敷を使った贈答品の包装に光があてられている。それは、本来の包むという機能を超え、その包み方が一つの芸術として認知されるようになってきたからである。一枚の風呂敷が本を包み、果物を包み、お酒を包み、それぞれの形体にあった美しい作品となる。これはまさに新しい芸術といってよいだろう。 ギフトラッピングに外国人は感嘆! りんごやチョコレートをきれいに包めないか、バックとして使えないか、インテリアにならないか、森田さんは風呂敷の可能性を模索した。「私は不器用で、最初は風呂敷メーカーに包み方を教えてもらいました。まさか、市民団体から講座を依頼されたり、何冊も本を出版するようになったりするとは思いませんでした」と森田さん。 最初の5〜6年間はなかなか認知されなかったが、森田さんらの活動は思わぬ形で認められるようになった。「国際交流団体から外国人がくるから実演して欲しいとか、会員からは、娘が留学するから、主人が出張するから、習いたいという要望が多くなってきたんです」。風呂敷は布一枚だけだから学ぶのが簡単で、持ち運びにも便利だ。 「京都と姉妹都市のボストンに文化使節の一員として参加しましたが、そこで、さまざまな日本の伝統文化が紹介されました、風呂敷のラッピングは大好評でした」と森田さん。ふろしきラッピングは日本の新しい文化として世界から認知される日は、すぐにでもやってきそうな勢いだ。 地方自治体からの講座依頼も殺到 創立当初20人だった会員は、今では430人となり、全国にいる。女性が約9割、会員は20代から70代までいるが、40代、50代が多いという。ふろしき研究会は環境省に登録された非営利団体だが、森田さんは本職だったコピーライターの時間がなくなり、研究会にかかりきりの状態だ。今は、各地域のリーダーを育てること、新しい使い方、より美しい作品の提案、メディアへの対応が主な仕事だ。 指導者養成講座や包み方集中講座も開いている。会員からは会員カードが欲しいとか、講座の修了証が欲しいとかの要望があるが、経費がかかることは一切しない。権威主義を排除した新しいタイプの運営方法をとることが森田さんの方針だ。ふろしきラッピングは、家元制をとる日本文化とは一線を画し、あくまで非営利団体の精神を貫く。 一枚の布だからイマジネーションが湧く 風呂敷の歴史は奈良時代(710〜784)にまでさかのぼる。風呂敷は日本独自のものと思う人は多いが、実際は、さまざまな国で使われている。それは主に荷物や子供を包んで運ぶ、運搬道具として使用されている。日本の場合は、運搬や収納での用途を基本としながら、贈り物での使用において独自の形で発達してきた。江戸時代ごろから布地や柄にこだわり、家紋や名前を入れるなど文化の側面が色濃くある。そういう意味では、日本の伝統文化といえよう。 現在、風呂敷を売っているお店は少ない。「メーカーは東京で5〜6件、京都で10数件しかありません。買えるのはデパート、お土産やなどに限られます」と森田さん。価格は1枚500円から30,000円とピンからきりまである。1,000円から1,500円が一番使われる。素材は絹が最高だが、綿や化繊もよく使われる。綿が一番使いやすいという。 森田さんはギフトラッピングの魅力についてこう説明する。「一枚の布だから、イマジネーションが湧き、さまざまな可能性があるのです。講座を通じて人と人との結びつきも大きな喜びです」。そして、最上のギフトラッピング――受け取った人が、ラッピングを壊したくないという気持ちと、壊す喜びのはざまにある状態――を目指し、今日もより美しいラッピングを試している。 |
英文版 ふろしきラッピング-日本の美しい包み |






