日本をより理解するための傑作記事(ひらがなタイムズ誌面より)
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これは笑えるぞ!サイレント・コメディ

が〜まるちょば

とにかくすごい、面白い、ユニークだ。「が〜まるちょば」の演技を見た人たちは、素直にそう思うだろう。彼らは、「サイレント・コメディ」を演じるケッチ!とHiroponの二人組。簡単に言えば、パントマイムを中心とした大道芸役者ということになるのだろうが、その域をはるかに超えた芸人だ。今、彼らの独創的なパフォーマンスが、言語・文化の壁を越えて、世界各地の観客を笑いの渦に巻き込んでいる。

絵画や音楽には国境がなく、世界の人々はそれらを見て、聞いて、直接感動することができる。しかし、文学や映画、演劇となると、言葉がわからないと理解できない。サイレント・コメディの彼らは一言もしゃべらない。身振り手振りだけで、コミュニケーションをとるから、万国共通で理解してもらえる。だが、言葉を使わないでコミュニケーションをとるには、それだけの芸が要求される。しかも、笑いをとらなければならないのだから、なおさらだ。

海外で絶賛されたパフォーマンス
が〜まるちょばは世界で一番大きな演劇祭「エジンバラ・フェスティバル・フリンジ」に2年連続出場し、2004年にはベストコメディの二人組として、ダブルアクト・アワード、2005年にはタップウォーター・アワードのコメディ部門を受賞。現地では五つ星の高い評価を得ている。「笑わずにはいられない才気あふれる見事なパフォーマンス」(ThreeWeeks)、「が〜まるちょばは、フェスティバルの輝く宝石だ」(Herald Sun)、「これこそ一目ぼれする舞台! 今までに、これほど年齢・性別・人種・思想傾向にかまわず、心から薦めたいと思う舞台を見たことがない」(The Scotsman)。2005年には、5,000人の入場者を記録した。

彼らのステージ名「が〜まるちょば」はグルジア語で、「こんにちは」という意味だという。ケッチ!さんは、そのいきさつをこう説明する。「99年にドイツでパントマイムのフェスティバルがあり、そこにグルジアの子供たちがたくさんきていて、『ガーマルチョバ』(こんにちは)と呼びかけてきたんです。その響きがとてもよかったのでユニット名として使うことにしたのです」。

二人は、このフェスティバルに個人として参加していたが、終了後にコンビを組むことになった。Hiroponさんは、「これまでにも、いろいろ組み合わせはあったのですが、二人ともエンターテイメント志向で、価値観が共有でき、目指す方向が一緒だったんです」と、結成のいきさつを説明する。

ケッチ!さんがこの道に進んだのは、高校生のときに学校でパントマイムをしたときに、すごく受けたのがきっかけだという。大学に通いながら、夜はパントマイムの学校へ通い、卒業後は日本語の教師をしながら、大道芸をしていた。そのうち、パントマイムの仕事が多くなり、この仕事に専念するようになった。一方のHiroponさんは、パントマイムの師匠に学び、一度も会社に所属したことがない。二人とも15年ほどのキャリアを持つ。

「パントマイムの世界に魅せられたのは、言葉なしで国境、人種を越えられ、観客の気持ちが伝わってくるから」と二人は口をそろえる。4年前から、二人は髪型を鶏のとさかのような現在のモヒカン・スタイルにした。「とにかく目立ちたいという気持ちからです。好きなパンク音楽の影響もあります」とHiroponさん。とさかの赤い方がケッチ!さんで、黄色い方がHiroponさんだ。

パントマイムの概念を変えたい!
現在、日本にはパントマイムのプロは30人ぐらいしかいない。その中で、が〜まるちょばは最も知られている。世界を見渡しても、プロの数はそんなに多くない。マルセル・マルソーのように、世界的に知られた芸人はほとんどいない。それだけに、二人にはこの分野をメジャーなものにしたいとの思いが強い。

「パントマイムに対する一般の認識では、まだ、顔を白く塗り、人形のように動くイメージをもっています。僕らは、そういったイメージを払拭したいんです」と二人は強調する。確かに、彼らの公演はパントマイムの概念を打ち破り、サイレント・コメディというにふさわしい。彼らの出し物はそれぞれ10〜50分ほどの長さで、一つひとつに工夫が凝らされている。

観客は彼らの演技に笑いころげるのだが、初めて見た人はどこで笑っていいのか、手をたたいていいのか、わからない。それを踏まえて、彼らは演技の中で拍手を要求する。それがまた、笑いをとるという仕掛けだ。「外国人はストレートに喜んでくれます。反応がよすぎて、間を変えたりすることもあります」とケッチ!さん。「日本人は周りを見て拍手したり、笑ったりします。そういう意味では、日本の観客の前でやるのが一番むずかしいかもしれません」とHiroponさん。

彼らの仕事は日本より海外の方が多い。これまで、18ヶ国、延べ100以上のフェスティバルに招待されている。そのスケジュール調整がきわどいときもあるという。最近では、オーストラリア、ニュージーランドの2ヶ月の公演を終えた最終日の夜中に、日本へ戻り、飛行機を乗り継いでそのまま韓国公演に間に合わせたこともある。一方では、6ヶ月も前から連絡を取り、準備を進めて現場に行くと何の準備もしてなくて、舞台づくりを自らしなければならなかったこともあった。「それぞれの国で仕事に対する考えがちがいますからね。その点、日本は準備を確実にしてくれるので安心です」と二人はいう。

海外でこれだけの評価を受けているにもかかわらず、日本のエンターテイメントの世界では彼らに対する理解はまだ低い。しかし、彼らの力量からすれば、日本でブレークするのは時間の問題のように思える。

http://www.gamarjobat.com

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