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| たけしが「先生」と呼ぶタップダンス界のカリスマ 「THE STRiPES」リーダー HIDEBOHさん 北野武監督のリメーク映画「座頭市」(2003年ベネチア国際映画祭「監督賞」受賞作品)のエンディング――祭りで農民が楽しそうに踊るあのタップダンス・シーン――は、世界の映画ファンに鮮烈に焼き付いているに違いない。勝新太郎が演じてきた人気シリーズ座頭市のイメージとは全く違う意表を突く演出で、北野武・座頭市の最大の見所となった。 あのラストシーンの中央で踊っていたのは、リーダーのHIDEBOH、RON×U、SUJI.、NORIYASUの4人のタップダンス・ユニットTHE STRiPESだ。正確に刻まれるタップのリズムと、従来のタップダンスの枠にとらわれない彼らのパフォーマンスは、日本のみならず世界でも評価を受けている。昨年、アメリカのシカゴで開かれた世界タップフェスティバルにはアジア代表として招かれたほどだ。 タップダンサーになるために生まれてきた タップダンスには、ミュージカルを中心としたブロードウェイ・スタイルと、より創作的で、アドリブなども多用するリズムタップがあるが、HIDEBOHさんは後者の方だ。タップダンスのルーツはアフリカ系アメリカ人のクロックダンス。「奴隷として手は鎖で結ばれていても、足は動かせる」というところから発達したという。 HIDEBOHさんは、芸を磨くためにアメリカに一年半ほど住んだ。当時は好きなサミー・ディビスJr.の影響もあり、日焼けして黒人のような髪型をしていた。「アメリカのタップダンサーから、『Who are you?』と言われました。日本人ならアジアのテイストを出さないと駄目だと言われたんです」。HIDEBOHさんは、帰国して『Who am I?』と自問した。それが、ダンススタイルの確立につながった。 「メンバーとの出会いは、ミュージシャンのNORIYASUが最初でした。彼にはミュージシャンらしからぬところがあり、それがいいんです。RON×U、SUJI.は、教え子です」とHIDEBOHさんはいきさつを話す。ユニット名のTHE STRiPESはタップダンスの発祥の地、アメリカに敬意を表し、アメリカの国旗「Stars & Stripes」からとったという。 北野監督からは教えられることが多い HIDEBOHさんはたけしについてこう語る。「タップダンスを一からやり直したいということでしたが、作品の中で使うだけではなく特別に思い入れがあるようです。芸を身につけるのが芸人という考えを持っていて、取り組み方が違います。5年ほど前から家や収録前のスタジオへ行って教えていますが、毎日2時間ほど練習しているようです。ぼくのことを『先生』と呼ぶんです。心苦しいので、HIDEBOHと呼んでくださいと頼んでも、それは駄目だとまじめに言うんです。たけしさんは意外とシャイですが、ほんとに頭のいい人で、発想がすごい。こちらが教えられることが多いです」。 タップダンスに新たな可能性 2005年11月には、6月に品川プリンスで行われたライブを収録したDVDも発売したが、HIDEBOHさんのタップダンスについての取り組み方が伝わってくる。単に洗練されたタップのテクニックを披露しているだけでなく、さまざまな楽しいストーリーを展開している。中でも、バスの乗客と運転手に見立てたストーリーには、誰しもが笑いをこらえられないはずだ。100分のステージを終えたメンバーは、まるで全力で戦ったサッカーの試合が終わったようにみな汗だくで、見るものにさわやかな感動を与えてくれる。ともすれば、脇役的な存在だったタップダンスに新たな可能性を与えたといってもいい過ぎではないだろう。 |
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