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| 「オタク」は今や世界から注目される日本の文化 数ヶ月前、記憶を失ってイギリス南部の海岸で保護された「ピアノマン」が世界中を騒がせたが、日本では昨年に登場した「電車男」の話題が、今も続いている。電車内で暴れる酔っ払いから若い女性を救った青年。実は、彼はオタクと呼ばれる、女性に縁のない男。彼女をデートに誘いたい彼は、モテない男たちが集まるインターネットサイトで相談する。やがて、彼は「電車男」と呼ばれるようになり、温かく見守る仲間達からアドバイスを与えられる。そして、彼女との距離を少しずつ縮めていくという、ラブストーリーの主人公。 実際の話ということだが、作り話だという声もある。それはさておき、ネットで話題を呼んだこの物語が本として出版され、ベストセラーとなった。そして、漫画にもなり、映画にもなり、連続テレビドラマにもなった。名もない「電車男」のストーリーが、なぜ日本中で話題となったのか? この背景には、主人公が「オタク」ということが大きく関わっていると言えるだろう。 「オタク」という言葉が誕生したのは20数年前で、話下手な若者が「オタクは…(あなたは…の意味。少し距離をおいた言い方)」とよく使うことからだと言われる。オタクは一つの趣味に極端に執着している人ということになるだろうが、彼らは一般的に社交下手で、ネクラ、ダサい外見、ロリコンのイメージがつきまとう。彼らは、「秋葉系」とも呼ばれる。秋葉とは「電化製品の街」秋葉原の省略で、つまり、秋葉原に出入りする若者を指す。 「オタク」は性犯罪者予備軍? 彼らの外見と行動は、時として性犯罪者予備軍という印象さえ与える。それが現実となって現れたのが、2004年の11月に奈良で起きた7歳の少女の誘拐殺人事件だ。 多くのメディアは、「犯人はフィギュア的なオタク」「アニメが原因で犯罪予備軍ができる」などと、犯人を特定の趣味(フィギュア、アニメ、ゲームなど)を持つものと推測して報道した。犯人逮捕後、上記の趣味との関係性は出ていないが、この種の犯罪には、上記の趣味が関わっているというイメージが出来上がってしまった。事件が起きる度に秋葉系にとっては大きな迷惑が降りかかる。 企業が注目する巨大マーケット 一方、消費者としてもオタク市場は注目されている。昨年、野村総研は「オタク市場はもはやニッチではない」という結果をまとめた。それによると、オタクを「アニメ」、「アイドル」、「ゲーム」、「コミック」、「自作PC」の主要5分野に絞ったもので、その人口は285万人。国内市場規模は2,900億円で、デジカメ国内市場規模を大幅に上回る。 オタク層はネット利用率と情報発信能力が高く、関連分野をまたにかけ、集団を形成する特徴を持つ。独自の価値観に基づいて金と時間を優先的に分配する。彼らは高い購買力をもち、新製品を受け入れる能力は並外れて高い。しかし、オタク市場を安易に考えると、落とし穴にはまるという。同じオタクが手を抜かずに作った質の高い商品は共感され受け入れられるが、オタクが買うだろうと安易に作った商品は反発を買うという結果が出ている。 新しいライフスタイルの誕生か? 昨年イタリアで「ベネチア・ビエンナーレ国際建築展」が開催された。日本館の展示テーマは、「OTAKU:人格=空間=都市」で、「オタクの街」秋葉原が会場に再現された。特に注目されたのが「オタクの部屋」。典型的なオタクの部屋がミニチュアで作られた。また、秋葉原のフィギュアショップにある「レンタルボックス」の再現も訪問者を驚かせた。個人の店から透明なショーケースを借りて、その中に自分の売りたい物を展示する仕組みだ。フィギュア、カード、ポスターなどが売られている。 展示会関係者は「これは近年まれに見る知的なものだった」と絶賛した。オタク文化が日本のポップ・カルチャーとともに世界に広がっていく気配もある。これは、ゲイ文化のように世界共通の新しいライフスタイルの誕生といえるのかも知れない。 協力:国際交流基金、株式会社ビブロス |
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