日本をより理解するための傑作記事(ひらがなタイムズ誌面より)
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「占い」を信じる者は救われる!

※Hiragana Times CIA(皮肉冗談局)

日本では占いブーム、特に女性の間に続いている。ほとんどのテレビ局が毎朝、天気予報と共に今日の運勢を放送している。占いのレギュラー番組もある。女性誌には必ずといってよいほど、占いコーナーがあり、毎月のように占い特集が組まれている。Hiragana Times CIAは、匿名を条件に、ある有名な女性占師から、占師の裏話を聞き出すことに成功した。


CIA:占いには、星座、血液型、手相、姓名判断、方位などさまざまありますが、先生はどうして、タロットを選んだのですか?

占師:悩みをかかえる相談者は、毎日が不安になっているのです。星座とか血液型などでは、一度占えばそれで終わりです。その点、タロットは、カードをめくって占いますから、連日の相談にも対応できるのです。つまり、常連客を作りやすいということです。ビジネス的にうまみがあるのですよ。正直いえば、儲かればどんな占いでもよかったんです。

CIA:占いに科学的根拠はあるようには思えませんが?

占師:そんなことは、占師にとってはどうでもいいことなんですよ。いかに相談者を信用させ、リピートさせるかということが大切なんです。それには、最初の一言がとても重要なんです。私の場合には、「あなたの家の近くにコンビニがあるでしょう?」と、まず切り出します。すると、相談者は「あります。どうしてわかるんですか?」と目を丸くしますが、驚くに値しません。この問いに100パーセントに近い相談者が「あります」と答えています。実は、それは当たり前のことなのです。今、コンビニは日本中どこにでもありますから。悩める相談者は、そんなトリックにも気づかず、私を畏敬の念で見つめます。その後は、私を信じていますから、相談者をどのようにでも誘導できます。

CIA:もし、近くにコンビニがないと言われたら、どう答えるのですか?

占師:「なくて、よかった。あったら大変なことになるところでした」などと言えばいいのです。落語のネタにもこの話はあるんですよ。テレビなどの一方通行情報で育った世代は、コミュニケーションが苦手です。カウンセラーのように相談者の話を聞いてやるのが占師の仕事です。

CIA:具体的にはどのようにアドバイスしているのですか?

占師:女性からの恋愛相談が一番多いのですが、相談から、私に何を言って欲しいか察することができます。たとえば、「彼は私のことをまだ愛しているでしょうか?」と聞かれれば、こう答えます。「彼はまだあなたのことを愛していますよ。ただ彼のコミュニケーションのとり方が下手だから、あなたに伝わらないだけなのよ」と。それで、安心して帰って行きます。でも、次の日には「彼はデートを断ったけれど、私を嫌いになってしまったのでは?」と、また不安になって相談にきます。彼の愛はとっくに冷めていると思っても、私はまた安心させる言葉を贈ります。相談者は自分が安心できる言葉を望んでいるのです。そう答えることで相談料が継続的に入ってきますから、私にも都合がいいのです。

CIA:それって、まもなく死ぬことがはっきりしている病人に注射や薬で延命させ、儲けている医者のようですね? 良心の呵責に悩まされることはないのですか?

占師:占師も人間です。そのことではいつも悩んでいますよ。でも私たちは、末期がん患者にがんを告知しないで、生きる希望を与えている医者と同じ行為をしていると、自分の行為を正当化しています。嘘であっても、信じている間は患者が救われているのは真実です。

CIA:占い稼業で辛いことは何でしょう?

占師:この商売をやっていると、相談者が毎日、人間の裏切り話を教えてくれます。一方では、それに答える私たち占師のからくりも知っていますから、人を信用できなくなってしまうのです。恐らく私は、誰も信用できないでしょう。孤独のまま一生を終えることが恐いのです。その孤独感を相談する相手がどこにもいないことが、何よりも辛いのです。

※Hiragana Times CIA(皮肉冗談局)

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