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| 東京の住宅地に外国人客5割の旅館がある? その旅館、観月は東京の中心から電車で35分ほど南に位置する(東急池上線の千鳥町駅からから歩いて2分)閑静な住宅街にある。石段を登り、門をくぐると小さな日本庭園があり日本情緒をかもし出している。こぢんまりした旅館だが、外国人宿泊客が約50%にのぼる。 ビジネス街でもないのに、なぜここに外国人宿泊客が多いのだろうか。「外国人が増えたのはつい最近ですよ」と、観月の長谷川専務は言う。旅館観月は1929年設立された老舗だ。当時は日本にホテルはほとんどなく、旅館が宿泊施設の主役だった。しかし、時代の流れや日本人の生活の変化に伴い、小規模な旅館は次第に廃れていった。観月も例外ではなかった。かつては修学旅行客など団体客を受け入れていたこともある。また、近くにIBMがあり、研修でやってくるスタッフの宿泊先としても利用された。だが、IBMも移転し、団体客も減少した。 困った長谷川さんは、小規模な旅館の団体ジャパニーズ・イン・グループ前会長の澤功氏に会った。澤さんは澤の屋旅館を経営していて、外国人宿泊客の誘致を積極的にはかり成功しているこの業界のカリスマ的存在だ。澤さんから貴重なアドバイスをもらった長谷川さんは外国人宿泊客の増加を目指すことになった。 「数年前からインターネットで外国人の誘致を始めたのですが、最初はパラパラでした。でも、今はお客さんの半分が外国人になりました。国別ではアメリカ人が3割程度と一番多く、続いて、カナダ、オーストラリア、イギリス、ドイツ、イタリア、フランス、スペインといったところでしょうか」。その客層をたずねると、「カップルだけでなく、男同士、女同士の友達、旅仲間の2人組が多いですね。宿泊代が安いことから10代、20代のバックパッカーが多いですが、家族連れも結構来ます。ほんとうにさまざまです」と長谷川さん。 外国人客は100%和室を希望 パブリックスペースにはパソコンが数台置かれている。いたれりつくせりのサービスだが、宿泊費は、食事はつかないが一部屋一人5千250円から、二人だと9千円からと安い。 日本人客は若いビジネスマンがほとんどだ。外国人宿泊客はロビーに集まって談笑するが、日本人客はなかなかその輪の中に入っていけないらしい。何かお客のエピソードがないかとたずねると、長谷川さんは「ここに泊まるお客さんは、旅館がどんなものか事前に知っているようで、変わったことは起きたことがありませんね。強いて言えば、草履を用意しているが、どこで履いていいのかわからないということでしょうか」。草履はスリッパがわりに出しているが、階段や庭では脱いでしまう客もいるという。 旅館をチェックアウトしたばかりのアメリカ人男性客はこう言った。「B&B(ベッド&ブレックファースト)の感覚で泊まれるのがいいですね。日本に来る友達にもこの旅館のすばらしさを教えてあげようと思います」。
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