日本をより理解するための傑作記事(ひらがなタイムズ誌面より)
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カーテンの裏側で ――アレグリア2

1984年以来、シルク・ドウ・ソレイユはきらめくような芸術性、はらはらさせるアクロバット、ダンス、そして音楽を結合させた世界最高のサーカスを世界中の人々に提供している。最初は小さなグループで始まった。観客を楽しませ、公演をしながら世界を見たいという単純な夢からだった。年が経つにつれて観客は増えてショーは大きくなっていったが、観客を楽しませ喜ばせたいという情熱はずっと変わっていない。すばらしいショーの最新の作品はアレグリア2だ。男たちが飛び、火と踊り、そして、めまいがするほど驚きの、重力を無視した曲芸の妙技が見られる幻想の世界だ。

アレグリアはスペイン語で「歓喜」という意味で、人生、愛、力を祝福する。劇場には中央ステージを囲む2,800の席がある。ほの暗い館内へ入るや否や、浮いているような黄色いランプ、何かが起きそうな高揚させる空気が漂う。そして、才能豊かなアーティストや刺激的な音楽が待つ異次元の世界へ導いてくれる。

目に映る以上のもの
しかし、このサーカスには目に映る以上のものがある。カーテンの裏側を見ると、これらの演技者には、旅を共にし、それぞれに生活を営む家族がいる。14歳になるアーサー・マトウラ君の父親はノスタルジック・オールド・バーズのキャラクターとして出演。8歳になるナタリア・プロトニコヴァさんの父親はニュー・ロシアン・バーに出演している。二人は知的で、成熟していて、すばらしくかわいい子供たちで、サーカスと共に旅する子供がどんな生活をしているのかを、垣間見させてくれた。

アーサーは、サッカーをするのが好きな、また、インターネットでチャットをするのが好きな普通の14歳の子供だが、ポーランド語、英語、フランス語、ロシア語を話し、今、日本語を勉強している。ナタリアはバスケットボールが好きで、算数が大好きだ。普通の女の子ではないかもしれない。でも、ロシア語、英語を流暢に話し、フランス語を少し話すことができる、最高にかわいい女の子だ。子供たちはとても知的で、世界中を旅していることが 大きな役割を果たしているのだろう。彼らは家族と共にアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、メキシコをまわり、そして今、日本を旅している。家に残っている祖父母や家族への恋しさを乗り超えることが、これらの子供たちを年齢以上に成長させてきた。しかも、これまで学んだ対処の仕方が彼らの生活の一部となっている。

アーサーとナタリアの学校は朝9時30分に始まり午後3時30分に終わる。他の学校と同様に、算数、英語、科学、読書、歴史、体育の時間がある。「普通の学校と同じです」とアーサーは強調し、「一つだけ違うのは、クラスメートが一学級に多くて4人しかいないことです」。サーカスと共に旅をするということは、学校が数ヶ月に一回、本や教材、物資を荷造りし、他の地域への引越しの準備をするということだ。引越しと、落ち着いてからクラスに戻るまでの間にも宿題はある。

学校はビッグトップの敷地の中にあり、丁度劇場の後ろに位置している。学校には3クラスがあり、普通の学級と同じように、壁には黒板があり、カラフルな写真が貼られ、本棚にはさまざまな教科書が置かれている。学校はカナダ、ケベック州のカリキュラムに準拠し、両親は主要な言語として英語かフランス語のどちらかを選択することができる。

この学校の教師の一人、パトリシアさんは、「学校はケベック州のカリキュラムに準拠していて、カナダ政府から公認されているんです。ここの学校を終えると、子供たちは証書を授与でき、正規の大学へ入学できます」と説明する。

現在、10人の生徒が学校に通っている。そのうちの5人は彼ら自身が出演者で、残りの5人は出演者の子供だ。アーサーとナタリアの視点から、数人しかいない学校の良い点、悪い点を見ると、「先生を独占できるのがいいです。何かわからないことがあれば、先生が教えてくれます」とアーサー。学校で嫌いなところはどこだろうか? 「サッカーチームがないことです」とアーサーが言うと、「バスケットボールのチームがないことも!」とナタリアは付け加えた。

学校全体で10人の生徒しかいないので、クラブやスクールバンドがない。「同じ年頃の子供たちと知り合うことはいいことです」と言い、アーサーは黙想した。「友情を保つことが難しいこともわかっています。僕らはいつも動き回っているのですから」。それにもかかわらず、彼らは時々先生と一緒にハイキングに出かけたり、他の学校と交流したりする。「時々行われる学校同士の交流で、ここの子供たちは他の子供たちとも出会う機会はあります」とパトリシアさんは説明する。動き回ることにより、彼らと一緒に生活している人以外の親しい友達を見つける機会は限られてしまう。

しかし、この現状に適合して子供たちはうまくやっている。パトリシアさんは、「これらの子供たちは、私以上にツアーと一緒なのです。生まれたときから、人生のほとんどをツアーと一緒の子供もいます。彼らはそれに慣れていますが、勉強の間に(都市から都市への移動の際)短いホリデーをとることは良いことです。それは週末をどう過ごしたかを話し合う雰囲気をつくり出します。でも、宿題は(移動中も)いつもあります」。

ショーは続く
日本ツアーは成功している。座席は満員で日本人の観客に大うけだ。ジムナスティックス、コントーション、バレエを取り混ぜた演技で、心を捉えるアーティスト、マリア・シラエヴァさんは、演技を邪魔しないように注意を払い、やさしく反応してくれる日本の観客はすばらしく、演じやすいという。

アレグリア2
http://www.alegria2.jp
Tel: 03-5237-9330

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