日本をより理解するための傑作記事(ひらがなタイムズ誌面より)
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日本をもっと知る - 風刺

欲張りな王様

※Hiragana Times CIA(皮肉冗談局)

数年前、ある独裁国家で作者不明の物語が国民の間で 密かに読まれていた。その内容は―――


昔、ある国にたいへん欲張りな王様がいました。王様は宝石が大好きで、お城にはダイヤモンドやルビーなどの宝石がたくさんありました。これらの宝石はお金持ちの商人達が、貢いだものでした。宝石をもらった王様は喜び、貢いだ商人に王様の土地を与えました。商人は王様からもらった土地を貧乏人に貸して、ますますお金持ちになりました。商人達は持っていた宝石を全部王様にあげてしまいました。

商人から宝石をもらえなくなった王様は、国民に宝石を貢ぐように命令を出しました。多くの国民は病気や事故などのために多少の宝石を蓄えていましたが、貧乏でした。それで、王様に貢ぐ国民はいませんでした。

怒った王様は国民から宝石を強制的に集めるように家来に命令しました。家来は国民の家を回り、家捜しをして宝石を取り上げました。そして、宝石を王様に渡しましたが、家来達はその半分を黙って自分のものにしてしまいました。宝石が十分に手に入らない王様は、家来達にもう一度国民から集めるように命令しました。家来は一生懸命に家捜しをしましたが、国民が宝石を隠したので、成果をあげることができませんでした。

不満な王様は、宝石を隠している者を密告するように国民に呼びかけました。国民の生活はますますみじめになり、みんなやせていました。そこで、王様は密告した者には、おいしい食べ物をあげると約束しました。それにつられて、国民の密告合戦が始まりました。またたくまに国中の宝石が王様に集まりました。

お城に集まった宝石を一人で見ながら王様は満足げにつぶやきました。「この国の宝石は全部が私のものだ。もっと、集めるぞ」と。そのとき、家来が慌てて王様の前にやってきました。「王様、大変です! 隣の国が攻めてきました。隣の国はとても強い!」。王様は驚いて、「どうして、突然攻めて来たのじゃ?」と叫ぶと、家来は、「敵は、この国の国民が貧乏だから、救いに来たと言っています」と伝えた。怒った王様は、兵隊に戦うように命令し、家来達にはお城と宝石を守るように伝えました。

しかし、国境を越えてやって来た敵を、国民は歓迎しました。隣の王様に占領された方が幸せになれるとみんな思っていたからです。兵隊も戦おうとしませんでした。欲張りな王様を助けてくれる人は誰もいませんでした。王様はすべての宝石を持って逃げようとしましたが、家来にとめられてしまいました。敵がお城の近くまで来ると王様は、「この宝石は全部私のものだ」と、狂ったように叫びながら何も持たずに逃げ出しました。


物語の後日談
この独裁国家は、物語のように崩壊してしまった。そして、最近、その物語には次の文が付け加えられていた。

家来達が宝石を持って逃げようとした王様に宝石を渡さなかったのは、その一部をもらえる約束を敵の王様とかわしていたからでした。しかし、敵の王様は、新しくこの国の王様にもなると、この国の家来達との約束を破り、彼らをすべて追放してしまいました。そして国民の密告制度を続けさせました。

この国の新しい王様は、お城の中の宝石を見ながら満足げにつぶやきました、「この国の宝石は全部が私のものだ。もっと、もっと集めるぞ」と。

※Hiragana Times CIA(皮肉冗談局)

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