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妹を陥れて彼氏の心をつかむ!?

エレナさんと先利さん

エレナさんが育ったクロアチア、ザグレブの学校では、京都と姉妹都市だったため、積極的に日本について教えていた。日本人は生の魚を食べるから世界一長生きなのだと教わったエレナさんには、日本人が宇宙人のように思えた。その後、ドラマ「将軍」がクロアチアで大ヒットした。エレナさんは、責任を死で償う、腹切りのシーンに感銘を受けた。

1991年、クロアチア紛争が勃発した。生活物資がすべて配給という状況でエレナさんが出会ったのは、日本人ボランティアによる茶道。甘いお菓子と苦いお茶の組み合わせには人生に通じるものがあると感じた。日本の虜になったエレナさんは、一年間必死に働き資金を貯めて、1995年に来日。24歳のときだった。

飛行機を降りた瞬間、エレナさんは降り間違えたと思った。周囲には高いビルばかり。もちろん芸者や将軍は歩いていない。空港のインフォメーションデスクで、ここは本当に日本かと確認したほどだった。大阪に落ち着くと、エレナさんは喫茶店でアルバイトをしながらお茶の教室に通った。

その後、妹のコーラさんが日本へやってきて、恋騒動が始まる。二人がバーで飲んでいたとき、エレナさんの隣に座ったのが後に夫となる先利さんだった。先利さんが頼んだカクテルを酔っぱらっていたエレナさんが飲んでしまった。「その酒はわしの!」という先利さんに「うるさいな」と言った瞬間、エレナさんは一目惚れしてしまった。「何か違う、この人!」。

しかし、妹のコーラさんも先利さんを好きになってしまった。しかも、先利さんはコーラさんのほうを気に入ってしまったのだ。「このままいくと二人はつきあうようになってしまう」。焦ったエレナさんは、二人の仲介役をするふりをした……二人が一緒にならないように、でも自分が邪魔者にされないように。

コーラさんが日本語を話せないのをよいことに、ウソの通訳をした。たとえば、先利さんのために手料理を作りたいコーラさんが、「苦手な食べ物はある?」と聞く。先利さんが「辛いものは苦手」と答えたのに、「彼は辛いものが大好きだって」とコーラさんに伝えた。超激辛のビーフシチューを食べることになった先利さんに、「コーラは料理が苦手だからうまくできないの」と話した。

涙ぐましいエレナさんの作戦は成功し、二人はようやく恋人同士に。そして、いつまで待っていてもプロポーズしてくれない先利さんに、「そろそろ市役所へ行かへん?」(「結婚してもいい頃ね」の意味。市役所は婚姻届を受理する)とエレナさんは迫った。今は息子の晃雄くん(5歳)と幸せに暮らしながら、二人でクロアチア観光のプロモーションをしている。また、クロアチア出身の有名な格闘家で、現在国会議員のミルコ・クロコップさんのサイト運営・ネット販売も手がける。「ようやく手にいれたのだから、もっともっと彼のことを大事にしなくては」とエレナさんは笑う。

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