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アトピーの私を救ってくれた王子さま

ノースキャロライナから日本にやって来たエイドリアン・マースィさんと山口県岩国市に住む佳子さんは2002年の4月、運命的な出会いをした。それは市内で開かれていた民間の日本語教室でのことだった。日本語を習いに来ていたエイドリアンさんは、アシスタント教師だった佳子さんを「天使のように心のきれいな人だ」と思った。惹かれたのは佳子さんも同じで、エイドリアさんを「優しく、礼儀正しい、すてきな人」と思った。

やがて、二人は結婚したいと思うようになった。だが、一つ大きな問題があった。佳子さんが重度のアトピー性皮膚炎だったのである。卵、牛乳、砂糖、食品添加物など、多くのものが食べられないばかりか、気候の影響も受けやすく、皮膚がすぐボロボロに乾燥し、恐ろしい姿になってしまう。

こんな私が結婚なんてできるわけがない。そう思っていた佳子さんにエイドリアンさんは、「たとえどんな姿になっても佳子は佳子だよ。私は佳子の心が大好きだよ」と言ってくれた。それは佳子さんが今まで聞いたどんな言葉よりも嬉しいものだった。その後、二人は結婚した。

佳子さんは食事のことが心配だった。野菜、米、小麦、大豆、果物、少量の肉など質素なものしか食べられない。一方、エイドリアンさんはチーズ、バター、卵、ステーキなど、ボリュームたっぷりの食生活を続けてきた。しかし、意外なことにエイドリアンさんは佳子さんの作った手料理を「健康的な料理だ。おいしい」と、喜んで食べてくれたのだ。

実はエイドリアンさん自身、料理がとても上手い。彼は佳子さんが一生食べられないだろうとあきらめていた、ミートソース・スパゲッティを作ったり、佳子さんが食べたがっていた、カレーピラフを作ったりした。「それはそれはおいしいものでした。主人のおかげで私は今まで食べられなかったものが食べられるようになったのです。本当に有り難いことです」と佳子さんは感謝する。

その後、佳子さんは自分がアトピー性皮膚炎で苦しんできた体験から、宇宙人=自分を主人公にした絵本を描き上げた。金銭面でも協力してくれたエイドリアンさんに申し訳ないと思っている佳子さんに、エイドリアンさんは「佳子の夢をかなえることが私の夢だよ」と言った。

今までアトピー性皮膚炎でつらい思いをしてきた佳子さんだが、エイドリアンさんの愛情に支えられ、今までの分を取り返すような幸せな生活が始まった。愛娘の愛藍ちゃんも生まれ、穏やかで幸福に包まれた毎日を送れることに、佳子さんはとても感謝している。

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