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東京が一望できる格安な部屋の裏側
無事に入居したその日、友達のアドバイスもあり、両隣に中国からの小さなおみやげを持ってあいさつに行きました。一軒目の入口には表札がなく、ブザーを押すと、いきなりドアが開きました。 私は一瞬凍りつきました。腕に刺青のある坊主頭の男が現われ、「何のようだ?」と私を睨んだのです。やくざに違いない、と思いました。「隣の部屋に引っ越してきた者です。あいさつに来ただけです」と言い、お土産を手渡すと、男は怪訝な顔をして受け取りました。部屋へ戻ると冷や汗が出ました。 気を取り戻して、もう一軒、訪れました。ここにも表札はかかっていませんでした。私が勇気を出してブザーを押すと、サラリーマン風の男が出てきました。私はホッとして、手土産を渡すと、男は礼儀正しく「わざわざすいません」と言い、手を差し出しました。私はギョッとしました。左手の小指がなかったのです。やくざの世界で義理をかくと、小指を切り落とす習慣があると聞いています。この男もやくざでした。 1ヶ月もたたないうちに私はこの部屋を出ました。今もこの部屋は空いているはずです。 |
私は中国から来たIT技術者です。日本へは最近来ましたが、ラッキーなことにある不動産屋ですばらしい物件を見つけました。格調の高い大きな部屋で、東京が一望できます。しかも、家賃は格安なのです。この部屋を見た友人はうらやましがりました。